この記事は、 行政書士業務 について興味がある方へ向けた内容となっております。
多岐にわたる業務をこなす行政書士ですが、ついついやってしまいそうになる、でも絶対に侵してはならない禁止事項について、現役の行政書士が分かりやすく解説していきます。
名義貸し
名義貸しは、資格を持たない者が行政書士業務を行うことを可能にし、国民の権利擁護や行政の円滑な運営を阻害する可能性があり、行政書士法に違反する行為です。
名古屋地裁での判例(H25.3.21)
名古屋地裁での有罪判決です。この後説明する「職務上請求書」と絡めた名義貸しの事例で深刻な内容であります。
また、名義を借りた者が不適切な業務を行った場合、名義を貸した行政書士も責任を問われることになります。仕事の依頼がたとえ付き合いの長い取引先に、「ちょっとだけなら…」なんて甘い言葉に誘われても、絶対にNOと言いましょう。行政書士を続けられなくなっては、本末転倒です。
職域を超えた仕事の受注
弁護士や税理士など、他の士業との連携は素晴らしいことですが、行政書士の業務範囲を超えた提携はNGです。例えば、弁護士法違反となる法律相談や訴訟行為などです。
福島地裁での判例(H8.4.25)
福島地裁での有罪判決です。不動産登記や商業登記などの申請は、司法書士の職域ですがそれを行政書士が行なってしまった事例です。
代表的な士業の独占業務の例は以下の通りです。
- 法律相談や訴訟に関する業務・・・弁護士
- 税務に関する業務・・・税理士
- 社会保険に関する業務・・・社労士
各士業には独占業務がありますので、扱える公文書の幅が広い行政書士だからこそ、職域には十分気を付けて仕事をしていきましょう。
職務上請求書の不正使用
行政書士の職務遂行に必要な場合にのみ使用が認められている職務上請求書の不正使用は、個人情報保護の観点から問題があり、行政に対する信頼を損なう行為とされています。
東京都での行政処分の事例(R6.3.28)
こちらは、職務上請求書を第三者に譲渡したことが、日本行政書士会連合会職務上請求書の適正な使用及び取扱いに関する規則第10条及び法第13条(会則の遵守義務)の規定並びに法第14条(重大な非行)の規定に該当するとされ、業務の禁止処分を受けた事例です。
職務上請求書の不正利用は、ご自身のキャリアを傷つけるだけでなく、行政書士全体の信用を失墜させることにも繋がります。常に高い倫理観を持ち、適正な業務遂行を心がけてください。
また、行政書士会では職務上請求書の使用上の注意を「一般倫理研修」にて事例と併せて紹介しています。実務に落とし込めるよう工夫されたクオリティで大変参考になるものなので、まだ受けてない方は日行連の研修サイトから受講をお勧めします。
その他
その他、他士業でも共通する内容をいくつか紹介します。
- 秘密保持義務違反・・・個人情報や業務上の秘密の厳守。
- 誇大広告や不当な勧誘・・・「絶対に許可が下ります!」など、根拠のない誇大広告や不当な勧誘
- 反社会的勢力との関わり・・・暴力団との関わりを無くす。
まとめ

行政書士は、高度な専門知識と倫理観が求められる職業です。これらの禁止事項をしっかりと守り、お客様からの信頼を得て、社会に貢献できる行政書士を目指しましょう!
この記事以外にも資格に関する実用的な知識を紹介しておりますのでよろしければご一読頂けると嬉しいです。