この記事は、 補助金申請 について興味がある方へ向けた内容となっております。
2026年1月1日から、行政書士法が大きく改正されます。「行政書士法の一部を改正する法律案」が、第217回国会に提出され、衆議院本会議(2025年5月30日)・参議院本会議(同年6月6日)にそれぞれ可決し、成立しました。
この改正は、特に 補助金申請 業務に従事している行政書士の皆様にとって極めて重要な内容を含んでいます。法改正の内容を正しく理解せずに業務を継続した場合、知らないうちに法律違反を犯し、懲戒処分の対象となる可能性があります。本記事では、今回の改正の具体的な内容と実務への影響について詳しく解説いたします。
行政書士法の改正点
第19条の重要な改正
今回の改正において最も注目すべきは、行政書士法第19条(業務の制限)の改正です。第19条(業務の制限) 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第1条の3に規定する業務を行うことができない。
この改正の核心は「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言の追加にあります。改正法第19条では、行政書士または行政書士法人でない者が行うことを禁じる業務について、従来の規定に加えて「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されました。
◆「行政書士法の一部を改正する法律」の成立について|日本行政書士連合会HPより
補助金申請業務の明確化
これまで「コンサルティング料」「支援費用」「謝礼」「実費相当」など、さまざまな名目で、実質的に補助金申請書類の作成に対する対価を得ていた無資格者(行政書士資格を持たないコンサルタント等)の行為を、明確に違法と規定する強い意思表示です。
補助金申請書類は、行政書士法に規定される「官公署に提出する書類」に明確に該当します。したがって、報酬を得てこれらの書類を作成する行為は、行政書士の独占業務であることがより明確に法文上で示されることになります。
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罰則規定の強化
今回の改正では、罰則規定についても強化が図られています。行政書士法人でない者による業務制限の違反(法第21条の2)及び名称の使用制限の違反(法第22条の4)、行政書士法人の帳簿の備付及び保存義務の違反並びに依頼に応ずる義務の違反(法第23条第2項)、都道府県知事による行政書士又は行政書士法人の事務所への立ち入り検査を拒み、妨げ、又は忌避する違反(法第23条の2第2号)の行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各罰金刑を科することとされました。
どのように変わる?実務への影響
市場環境の変化
これまで補助金申請支援市場では、行政書士以外にも中小企業診断士、税理士、社会保険労務士、さらには無資格のコンサルタントなど、様々な専門家が参入していました。しかし、今回の法改正により、「報酬を得て、官公署に提出する補助金申請書類を作成する業務」は、行政書士または行政書士法人でなければできなくなるという点です。
他士業への影響
行政書士法第19条に基づき、行政書士でない者がこうした書類を作成することは、行政書士法違反とされる可能性があるため、これまで補助金申請支援を行っていた他士業者は、業務の見直しを迫られることになります。
行政書士にとっての機会
一方で、行政書士の皆様にとっては、補助金申請業務の独占性がより明確になることで、業務機会の拡大が期待されます。これまで他の専門家と競合していた分野において、明確な優位性を確立できることになります。
責任の重大性
ただし、独占業務としての性格が強化されることで、行政書士の責任もより重大になります。今回の改正は、行政書士という専門職の「社会的役割」や「責任のあり方」そのものを問い直す重要な内容を含んでいると考えています。
この改正に伴い行政書士はどのような行動をとっていくべきか
専門知識の習得
まず最も重要なのは、補助金制度に関する専門知識の習得です。各種補助金の申請要件、審査基準、申請手続きについて深い理解を身につける必要があります。特に以下の分野について重点的に学習することが必要と考えます。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
- その他業種別補助金制度
認定経営革新等支援機関の取得
補助金申請業務を効果的に展開するためには、認定経営革新等支援機関の認定取得を強く推奨します。この認定により、より多くの補助金申請業務に関与できるようになり、クライアントからの信頼度も大幅に向上します。
マーケティング戦略の見直し
法改正により市場環境が変化することを踏まえ、専門性のアピール、他士業との差別化、信頼性の訴求等マーケティング戦略を見直していく必要があると考えます。法的根拠に基づいた業務提供であることを意識し、安心感を持てるような説明をクライアントにできれば心象が良くなります。
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ネットワーク構築
補助金申請業務は、単独で完結することは稀です。以下のような専門家とのネットワーク構築が重要です。
- 税理士(財務面でのサポート)
- 中小企業診断士(経営戦略面でのコンサルティング)
- 社会保険労務士(雇用関連補助金での連携)
- 弁理士(知的財産関連補助金での連携)

補助金申請業務で特に事業計画書は、他士業にサポートを受けながら作る場面も多い内容です。この法律の改正に行政書士の地位が一層上がれば、他士業と優位な形で提携できるようになり業務が円滑になると考えます。
まとめ

行政書士法の改正は、 補助金申請 業務に従事する行政書士にとって大きな転換点となります。知らないうちに法律違反を犯すことがないよう、今回の改正内容を十分に理解し、適切な業務運営を行ってください。行政書士としての専門性を活かし、中小企業の発展に貢献する重要な役割を果たしていきましょう。
この記事以外にも行政書士に関する実用的な知識を紹介しておりますのでよろしければご一読頂けると嬉しいです。
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