【PCSX2】PS2の型式別にBiosの吸い出し方をまとめる

【PCSX2】PS2の型式別にBiosの吸い出し方をまとめる
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この記事は、 PCSX2 について興味がある方へ向けた内容となっております。

PlayStation 2(PS2)は2000年に発売され、多くのゲーマーに愛され続けているゲーム機です。現在でも、PCSX2などのエミュレータを使用してPC上でPS2ゲームを楽しむユーザーが数多く存在します。しかし、エミュレータを正常に動作させるためには、PS2本体からBiosファイルを適切に吸い出す必要があります。

PS2は発売期間中に複数の型式が製造されており、それぞれ微妙に異なる特徴を持っています。本記事では、PS2の型式別にBiosの吸い出し方法を詳細に解説し、PCSX2を使用する際の参考資料として活用していただけるよう、包括的な情報をまとめました。

Biosとは何か

Biosの基本概念

Bios(Basic Input/Output System)は、PS2本体の基本的な動作を制御するシステムプログラムです。PS2におけるBiosは、ゲームディスクの読み込み、システム設定の管理、周辺機器との通信など、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しを行う重要な役割を担っています。

エミュレータにおけるBiosの重要性

PCSX2などのPS2エミュレータでは、実際のPS2ハードウェアを持たないため、PS2の動作環境を完全に再現するためにBiosファイルが必要不可欠です。Biosファイルがなければ、多くのゲームが正常に起動せず、起動したとしても不具合が発生する可能性が高くなります。

適切なBiosファイルを使用することで、ゲームの互換性向上、音声・映像の正確な再生、セーブデータの正常な動作、PS2特有の機能の再現が出来るといったメリットが得られます。

Biosファイルの法的側面

PS2のBiosは著作権で保護されているソフトウェアです。そのため、Biosファイルを使用する際は、必ずご自身が所有するPS2本体から適法に吸い出したものを使用する必要があります。インターネット上で配布されているBiosファイルをダウンロードして使用することは、著作権侵害にあたる可能性があります。

PS2の年式別型式紹介

PS2は2000年から2013年まで製造され、その間に多くのモデルチェンジが行われました。主要な型式を年代順に整理すると以下のようになります。

初期型(2000年〜2002年)

SCPH-10000 / SCPH-15000

  • 発売時期:2000年3月〜2001年
  • 特徴:最も厚みがあり、IEEE1394端子を搭載
  • Bios版本:1.00〜1.01
  • 吸い出し難易度:★★★☆☆

中期型(2002年〜2004年)

SCPH-30000 / SCPH-35000 / SCPH-37000

  • 発売時期:2002年〜2003年
  • 特徴:IEEE1394端子廃止、薄型化開始
  • Bios版本:1.20〜1.60
  • 吸い出し難易度:★★★☆☆

SCPH-39000 / SCPH-50000

  • 発売時期:2003年〜2004年
  • 特徴:さらなる薄型化、内部構造の改良
  • Bios版本:1.60〜1.70
  • 吸い出し難易度:★★★★☆

薄型(2004年〜2013年)

SCPH-70000 / SCPH-75000 / SCPH-77000

  • 発売時期:2004年〜2007年
  • 特徴:大幅な薄型化、省電力化
  • Bios版本:2.00〜2.20
  • 吸い出し難易度:★★★★★

SCPH-79000 / SCPH-90000

  • 発売時期:2007年〜2013年
  • 特徴:最終形態、最も小型化された型式
  • Bios版本:2.30
  • 吸い出し難易度:★★★★★

型式別Bios吸い出し方法

準備するもの

すべての型式に共通して必要なものは以下の通りです。

  • FreeMcBoot(Free Memory Card Boot)がインストールされたメモリーカード
  • uLaunchELF
  • BIOS Dumper v2.0
  • 空のUSBメモリまたはネットワーク接続環境

USBメモリや専用のメモリーカードが無い場合は、アマゾン楽天市場で安く買いそろえられます。

初期型(SCPH-10000〜15000)の吸い出し方法

初期型のPS2は比較的Biosの吸い出しが容易です。

手順
  1. FreeMcBootがインストールされたメモリーカードをPS2に挿入
  2. PS2を起動し、uLaunchELFを選択
  3. BIOS Dumper v2.0を起動
  4. 「Dump BIOS」を選択
  5. 保存先(USBメモリまたはメモリーカード)を指定
  6. 吸い出し開始(約3〜5分で完了)
注意点
  • IEEE1394端子搭載モデルでは、一部のUSBデバイスとの相性問題が報告されています
  • メモリーカードへの保存の場合、容量不足にご注意ください

中期型(SCPH-30000〜50000)の吸い出し方法

中期型では、セキュリティが若干強化されているため、追加の手順が必要な場合があります。

手順
  1. FreeMcBootメモリーカードを挿入し、PS2を起動
  2. uLaunchELFから「System」→「PS2 Disc」を選択
  3. BIOS Dumper v2.0を起動
  4. 「Advanced Mode」を選択
  5. 「Full BIOS Dump」を実行
  6. 出力先を選択し、吸い出し開始

中期型のBiosの吸い出し方法はこちらにも詳しく載せております。

追加考慮事項
  • SCPH-39000以降では、一部のホームブリューツールが制限される場合があります
  • ネットワークアダプター経由での吸い出しも可能ですが、設定が複雑になります

薄型(SCPH-70000以降)の吸い出し方法

薄型PS2は最もセキュリティが強化されており、吸い出しには高度な技術が必要です。

基本手順
  1. 最新版のFreeMcBootを使用(薄型対応版必須)
  2. uLaunchELFの薄型対応版を起動
  3. 専用のBIOS Dumper(薄型対応版)を使用
  4. 「Safe Mode」での吸い出しを推奨
  5. 複数回の吸い出しでベリファイを実行
薄型特有の注意点
  • 型式によってはハードウェア改造が必要な場合があります
  • SCPH-90000シリーズでは、一部のツールが動作しない可能性があります
  • 吸い出し時間が初期型の2〜3倍かかる場合があります
高度な手法(SCPH-77000以降)

一部の新しい薄型モデルでは、従来の方法では吸い出しできない場合があります。その際は以下の代替手法を検討する必要があります。

  1. ESR(Emergency Recovery System)の使用
  2. SwapMagic と組み合わせた手法
  3. ハードウェアMODチップの活用

これらの手法はPS2本体の改造を伴う場合があり、メーカー保証の対象外となります。

吸い出し後の確認とトラブルシューティング

Biosファイルの検証

吸い出したBiosファイルが以下の通りかを確認して、問題なければ正常です。

ファイルサイズの確認

  • 初期型:4MB(4,194,304バイト)
  • 中期型:4MB(4,194,304バイト)
  • 薄型:4MB(4,194,304バイト)

MD5ハッシュ値による検証

各型式には固有のMD5ハッシュ値が存在します。オンラインのMD5チェッカーを使用して、吸い出したファイルのハッシュ値を確認し、公開されている正規のハッシュ値と照合してください。

よくあるトラブルとその解決法

以下によくあるトラブル事例を載せてありますのでご覧ください。

◆吸い出し途中でエラーが発生する
  • 原因:メモリーカードの容量不足、USBデバイスの相性問題
  • 解決法:別の保存先を試す、USBデバイスを変更する
◆吸い出したファイルサイズが異常
  • 原因:吸い出し中の中断、ハードウェアの不具合
  • 解決法:再度吸い出しを実行、PS2本体の清掃
◆PCSX2で認識されない
  • 原因:ファイル破損、不正なファイル形式
  • 解決法:再吸い出し、ファイル拡張子の確認(.binまたは.rom)

まとめ

アルフレッド
アルフレッド

PS2のBios吸い出しは、エミュレーション環境を構築する上で重要なステップですが、型式によって難易度が大きく異なります。初期型では比較的容易に吸い出しが可能ですが、薄型、特に後期の型式では高度な技術と専用ツールが必要となります。

この記事以外にもデジタルやPCに関する実用的な知識を紹介しておりますのでよろしければご一読頂けると嬉しいです。

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