エミュレーター オンライン対戦の方法は主に2つです。設定が簡単で幅広いゲームに対応する「Parsec(画面共有方式)」と、入力遅延が少ない「Netplay(入力同期方式)」です。友人と気軽に始めるならParsec、対戦ゲームでラグを減らしたいならNetplayが適しています。
- ParsecとNetplay(ロールバック方式)それぞれの仕組みと向き不向き
- PCSX2・ePSXeでオンライン対戦を始めるための具体的な設定手順
- 遅延・切断・映像乱れなどのトラブルを解決する実践的な対処法
エミュレーターでのオンライン対戦の基本を理解しよう
高校時代に友人と深夜まで熱中していた対戦ゲームをオンラインで再現する方法を調べ始めたとき、思ったより選択肢があることに驚きました。ポート開放の壁を前に何度か止まりながら、ようやく友人の画面と繋がった瞬間の興奮は、当時の対戦を思い出させるものでした。
そもそもエミュレーターのオンライン対戦とはどんな仕組みか?
エミュレーターのオンライン対戦には主に2つの仕組みがあります。
- 画面共有方式(Parsec):ホスト側のPCの画面をゲストに配信し、ゲストのコントローラー入力をホスト側に送る方法です。エミュレーター側に特別な設定は不要で、ePSXe・PCSX2・その他あらゆるエミュレーターに対応します。遅延はホストとゲストの通信速度に依存します。
- 入力同期方式(Netplay):ゲームの入力データ・状態を両者間でリアルタイムに同期する方法です。エミュレーター側がNetplayに対応している必要があります。ePSXeはNetplay機能を内蔵していますが、PCSX2はNetplay機能の実装が限定的です。
オンライン対戦環境を整えるメリット
- 距離を超えた再戦が可能:遠くに住む友人と、当時熱中したPS1・PS2の対戦タイトルをそのままの環境で遊べます。
- 実機・ソフトの共有が不要:ホスト側が実機とソフトを持っていれば、ゲストは環境を持っていなくても参加できます(Parsec方式の場合)。
- セーブステートなどエミュレーターの恩恵を受けながら対戦できる:実機オンライン対戦では不可能な、エミュレーター特有の機能を活用できます。
方法の選び方:Parsec vs Netplay どちらを使うべきか?
| 比較項目 | Parsec(画面共有) | Netplay(入力同期) |
|---|---|---|
| 設定の手軽さ | ◎(インストールするだけ) | △(エミュレーター側の設定が必要) |
| 対応エミュレーター | ◎(すべてのエミュレーターに対応) | △(ePSXeは対応、PCSX2は限定的) |
| 入力遅延 | △(画面配信の遅延が加わる) | ○(通信速度次第で遅延が少ない) |
| ゲストの環境要件 | ◎(Parsecのみ必要) | ×(同じエミュレーター・ROMが必要) |
| 向いているゲーム | RPG・アドベンチャー・ターン制 | 格闘・アクション・リアルタイム対戦 |
Parsecを使ったオンライン対戦の手順
Parsecを初めて使ったとき、エミュレーターの設定を一切いじらずに友人と繋がったことに驚きました。「こんなに簡単でよかったのか」という拍子抜けした感覚と、画面の向こうでゲームが動き始めた興奮が混ざった夜でした。
事前準備・必要なもの
- ホスト側(自分):
- PCSX2 v2.3.x(pcsx2.net)またはePSXe v2.0.5が動作するPC
- Parsecアカウント(parsec.app で無料登録)
- BIOSファイル(自分のPS2/PS1実機から吸い出したもの)
- ゲームのISOファイル(自分が所有するディスクから作成したもの)
- ゲスト側(相手):
- Parsecアプリ(無料)がインストールされたPC・Mac・Linux・Android
- コントローラー(Parsec経由でホスト側に入力が届く)
PCSX2の基本的な導入・設定はPCSX2の設定方法を参照してください。エミュレーターが動作する環境を先に整えてからParsecの設定へ進んでください。
具体的な手順
- parsec.app にアクセスし、ホスト・ゲスト双方がアカウントを作成してParsecをインストールします。
- ホスト側がParsecを起動し、「Host」タブでホスティングを開始します。
- ゲスト側がParsecを起動し、「Friends」タブからホストのユーザー名を検索して接続リクエストを送ります。
- ホスト側が接続を承認します。
- ホスト側でPCSX2またはePSXeを起動してゲームを開始します。Parsecのオーバーレイがゲスト側にリアルタイムで画面を配信し、ゲストのコントローラー入力がホストのゲームに届きます。
- ゲスト側のコントローラーをエミュレーターで認識させるには、ホスト側のPCSX2のコントローラー設定でゲストの入力をPlayer 2に割り当てる必要があります。Parsecの「Gamepad」設定でゲストのコントローラーが認識されているか確認してください。
※注意点・よくある失敗
- ホスト側の回線速度が画質・遅延に直結する:Parsecはホスト側がゲームを動かして配信する方式のため、ホストのアップロード速度が低いと遅延・映像劣化が発生します。有線LAN接続を推奨します。
- ゲストのコントローラーがPlayer 2に割り当てられない:ParsecのゲームパッドオプションでVirtual Gamepadが有効になっているか確認してください。ホスト側のエミュレーターのコントローラー設定でParsec経由の入力を認識させる設定が必要です。
- 著作権上の注意:Parsecを使ってゲームを配信する場合も、自分が所有するソフト・BIOSを使用することが著作権上の基本です。
Netplayを使ったオンライン対戦の手順
ePSXeのNetplayを初めて試みたとき、ポート開放の設定でルーターの管理画面を初めて開きました。設定する番号を間違えて1時間ほど繋がらない状態が続き、正しいポート番号に変えてからつながった達成感はとても良かったです。
Parsecとの違いと使い分け基準
Netplayはエミュレーター内蔵の入力同期機能を使うため、画面配信の遅延がなく、格闘ゲームやアクションゲームで体感的なラグが少ない点がParsecとの大きな違いです。ただしゲストも同じエミュレーターとゲームデータを持っている必要があり、設定の難易度がParsecより高いです。
ePSXeはNetplayに対応していますが、PCSX2 v2.3.xはNetplayの実装が現時点で限定的なため、PS2タイトルのNetplayにはParsecを使う方法が現実的です。
ePSXeのNetplay設定手順
ePSXeの基本設定はePSXeの設定方法で確認してから、Netplay設定へ進んでください。
- ポート開放(ホスト側のみ):ルーターの管理画面にアクセスし、ePSXeが使用するポート(デフォルト:7000)をTCP/UDPで開放します。ルーターの機種によって手順が異なります。
- ePSXeを起動し、「NetPlay」→「Start Hosting」を選択します(ホスト側)。
- ゲスト側は「NetPlay」→「Connect to Host」を選択し、ホストのIPアドレスとポート番号を入力して接続します。
- 接続後、ゲームのISOを起動します。ゲスト側も同じISOを持っている必要があります(自分が所有するディスクから作成したもの)。
- 双方のフレームレートが同期しているか確認します。どちらかの処理が重くなると同期エラーが発生します。
推奨設定値・補足情報
- グラフィック設定をシンプルにする:Netplay中は処理負荷を下げるために内部解像度を1x〜2xに抑えることを推奨します。どちらかのPCが処理落ちすると同期が崩れます。
- セーブデータの扱い:Netplay中にセーブしたデータの引き継ぎ・バックアップ方法についてはセーブデータの移行とバックアップの方法で確認してください。
- Windows 11での動作:ePSXe・PCSX2ともにWindows 11環境での動作を確認しています。Netplay機能もWindows 11上で動作しますが、Windowsファイアウォールでポートがブロックされていないか確認してください。
ケース別おすすめ設定:ゲームジャンル×通信環境で選ぶ
格闘ゲームをParsecで試したとき、入力から画面への反映に0.1〜0.2秒の遅延を感じて、コンボが繋がりにくい場面がありました。RPGや協力プレイタイトルではその遅延が気にならず、ゲームのジャンルによって向いている方法が明確に違うことを実感しました。
ゲームジャンル・状況別の最適な方法の選び方
| 状況・ジャンル | 推奨方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 格闘ゲーム(リアルタイム入力が重要) | Netplay(ePSXe) | 画面配信遅延がなく入力反応が速い |
| RPG・アドベンチャー(ターン制) | Parsec | 遅延が気になりにくく設定が簡単 |
| PS2タイトル(PCSX2)の対戦 | Parsec | PCSX2のNetplayが限定的なためParsecが現実的 |
| ゲストがエミュレーター環境を持っていない | Parsec | ゲスト側のエミュレーター設定が不要 |
| 通信が不安定・遠距離接続 | Parsec | Netplayより接続の柔軟性が高い |
通信安定化のための追加設定
- 有線LAN接続を優先する:Wi-Fiは無線干渉でパケットロスが発生しやすいです。ホスト側は特に有線接続が推奨されます。
- Parsecの解像度・ビットレートを下げる:Parsecの設定で配信解像度を720pに下げると、低速回線でも映像の安定性が改善します。
- バックグラウンドアプリを終了する:ブラウザ・動画配信ツール等を終了してネットワーク帯域を確保してください。
よくある質問
Parsecで繋がったのにゲストのコントローラーがゲームに反応しない場面が最初にありました。Parsecのオーバーレイで「Gamepad 1」と表示されているのに、エミュレーターがPlayer 2として認識していないのが原因で、コントローラー設定を開いて割り当てを変えるだけで解決しました。
Q1. Parsecで接続できるがコントローラーの入力がゲームに届かない
以下の順番で確認してください。
- ParsecのSettingsで「Gamepad」→「Virtual Gamepad Indexes」が正しく設定されているか確認します。
- ホスト側のPCSX2またはePSXeのコントローラー設定を開き、Player 2のデバイスがParsec経由のゲームパッドを認識しているか確認します。Parsecのゲームパッドは「Parsec Virtual Gamepad」として表示されます。
- ゲームを再起動して認識されるか確認します。エミュレーター起動後にParsecで接続した場合、コントローラーの追加認識に再起動が必要なことがあります。
Q2. ePSXeのNetplayで「同期エラー」が頻発する
同期エラーの主な原因は処理落ちと通信の不安定さです。以下を試してください。
- 内部解像度を1xに下げて処理負荷を最小化します。
- グラフィックプラグインをシンプルな設定に変更します。
- 双方が同一のISOファイル(同じゲームCRC)を使用しているか確認します。ROMのバージョンが違うと同期が取れません。
- ホスト側の回線速度(アップロード)が十分か確認します。5Mbps以上を推奨します。
Q3. Parsecの映像が遅延する・カクつく場合の対処法は?
Parsecの映像遅延・カクつきの主な原因はホスト側のアップロード速度不足またはネットワーク干渉です。
- ParsecのHost設定で「Bandwidth Limit」を「10 Mbps」→「5 Mbps」に下げます。
- 配信解像度を「1080p」→「720p」に変更します。
- ホスト・ゲスト双方が有線LAN接続に切り替えます。
- Parsecのコーデックを「H.265(HEVC)」から「H.264」に変更すると、一部の環境で安定性が改善します。
まとめ

エミュレーター オンライン対戦の方法について整理します。Parsecはゲストがエミュレーターを持っていなくても参加できる点が最大の利点です。通信安定化には有線LAN接続とバックグラウンドアプリの終了が最も効果的です。遠く離れた友人と当時の対戦を再現する環境は、正しい手順を踏めば決して難しくありません。まずはParsecでの接続から試してみてください。
この記事以外にもデジタルやPCに関する実用的な知識を紹介しておりますのでよろしければご一読頂けると嬉しいです。
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